#指導振り返り2 中3女子(地元公立トップ高校志望)
中学3年生 Mさん
科目:数学 ①二次方程式の計算の導入 ②一次関数の利用
地元公立トップ高校を志望のお子さんです。
とても気立てが良く誠実・聡明かつタフで、
中学では運動部で活躍するかたわら生徒会長もつとめています。
将来は患者さんの気持ちをくみとれる看護師さんになりたい。
という展望を思い描いています。
(僕としては、Mさんは営業職で好かれてめちゃくちゃ活躍できるんじゃないかなとも思います。)
学習能力が高くてセンスも良く、
何より自分から学ぼうとする姿勢がデフォで素晴らしいのですが、
休校もあって受験勉強の仕方が不安だということで、
Mさん本人からの
・質の高い学習の仕方や考え方を学びたい。
・学習計画や受験までの学習の見通しのサポートが欲しい。
というオーダーです。
僕の使い方がすでにめちゃくちゃ分かっている恐ろしい子です。
(…ほんとめちゃくちゃ賢いです。看護師になれる国公立大学の進学情報を自分からネットで収集したり、将来の身の立て方を考えたりするような子です。)
本日の学習メニューは、以下の2本立てです。
①二次方程式の計算の導入
②一次関数の利用
今回は以上のメニューから
①二次方程式の計算の導入
での指導の様子の一部を振り返って書いてみます。
ちなみに②の一次関数の利用は、
高校入試の問題(兵庫県 2020年度 数学 第2問「水槽におもりを入れて水量の変化を読み取る」)
に取り組んだのですが、ふつうに解けてしまった(僕のことは放置)ので、割愛します(笑)
教材は正進社の
「レベル別・パターン別問題集実力完成問題集α」
という網羅系問題集です。塾用教材です。親戚から譲ってもらったらしい。
Mさんは基本的に自分で読んで解けてしまうので、
問題の解説をする必要がまったくありません。
じゃあサボっている僕はいったい何をしているのか。
Mさんとのやり取りを以下に書いてみますね。
Mさん「(問題を解き終えて答え合わせをする)…解けました。合ってました。」
僕「そうかー。どうやって解いたんー?」
Mさん「x^2-2x-3=0 って問題なんですけど、これは足して-2、掛けて-3になる組合せだから、1と3みたいに組合せ考えて…、いろいろ試したら-3と1だったので、(x-3)(x+1)=0ってして、xは3と-1って出ました。」
僕の心の中(説明めちゃくちゃ正しい…!悔しい。いじわるしたろ。)
僕「そうかー。なんで答え3と-1なん?」
Mさん「えっ……?」
僕「-3と1ではあかん?」
Mさん「ダメだと思うんですけど…うーん……(自分のノートを見つめて返事に悩む)」
僕「そんじゃあ実験や。いったん悩みはどっか投げ捨てて、もっかいシャーペン持ってー」
Mさんシャーペン持つ。
僕「因数分解した式の左辺あるやんかー、(x-3)(x+1)=0の左辺。試しにxに3突っ込んで計算してみて」
Mさん「…0×4になりました。…あっ!」
僕「ん。いけた?」
Mさん「…いけました。元に戻して0になればいいってことですよね。」
僕「さすがやなー。もういけそう?(笑)」
Mさん「いけそうです(笑)」
僕「おっけー。じゃあ気が済むまで二次方程式と遊んできなさい。」
僕、斜め後ろに下がって気配を消す。
Mさん、10分ぐらい二次方程式と遊ぶ。
Mさん「いけました。なんか簡単ですね。」
僕「さすがやなー。俺いらんやん(笑)」
僕の役目は、彼女との対話を通して
①どうやって解いたん?と聞いて説明してもらう
②彼女を気づきに向かわせる問い・視点を投げる
ぐらいです。
学習における心理学の知見や学習技術であったり、
教科上の抽象的な概念や複雑な内容は、
必要を見こして、それでも工夫した上で伝えますが、
それら以外は徹底して「教える」ことから全力で逃げています。
勉強は決して受け身でしか得られないものではなく、
自分で身につけられるものなんだよ。
ということを彼女には身をもって体感してほしいのです。
トップ高を目指すのならなおのこと。
なので僕がサボっているように見えるのは、僕なりのメッセージなんです。
僕はゆくゆくMさんが
「先生やったらどうやって解きますか?」
「解説のここがなんでいきなり出てくるかわかんなくて、なんでですか?」
という質問をするようになったら僕の勝ちだな、と考えています。
#家庭教師 #指導振り返り